インターネットメールは送信用と受信用がもともと違うプロトコルで構成されていますので、その仕組みを知ることで、メールのセキュリティ向上に理解を深めて行きましょう。そもそも、ここで言うプロトコルとはコンピュータ同士が情報をやり取りする手順の事を言います。
送信用プロトコル SMTP(Simple Mail Transfer Protocol)
インターネットメールの送信用に使われるネットワーク・プロトコルで、ポートは通常25番を使用します。このSMTPに対応したサーバーを送信用サーバと呼びます。
電子メールを送信するとそのデータは送信者のSMTPサーバに送られ、さらに相手先のメールサーバに送られて指定したメールアドレスのメールボックスに保存されます。
このメールボックスとは、メールサーバ内の個人用フォルダのことで、インターネット上の私書箱みたいなものです。送信されたメールはすべてこの中に保存される事になり、ユーザーがPOP(又はIMAP)を使用して受け取りに来るまでメールを保管することとなります。
SMTPサーバ(送信サーバ)の2つの役割
* 電子メールソフトから送信されたメール本文を受付ける。
* メールアドレスで指定された宛先メールサーバまで送る。
受信用プロトコル POP(Post Office Protocol)
インターネットメールの受信用に用いられるネットワーク・プロトコルで、通常は通信ポートとして110番を使用します。
ここでは、メールサーバーに接続して届いている電子メールを自分のメールボックスから取得するためのプロトコルです。
POPに対応したメールソフトは閲覧するデータをすべてダウンロードしてサーバー上には何も残しませんが、これによって一度受信した電子メールはインターネットに接続しなくても読むことが出来ます。
受信用プロトコル IMAP(Internet Message Access Protocol)
POPと同じ様に、インターネットメールの受信用に用いられるネットワーク・プロトコルで、通常は通信ポートとして143番を使用します。
POPとの一番の違いは、メールサーバー上で全ての送受信データを管理するために、すべてのデータがサーバー上に残っていることです。そのためにどのコンピュータからでも同じデータを用いることが出来ます。
そのために、現在ではIMAPに対応した電子メールソフトが主流となっています。設定は多少難しさはありますが、案内に沿って実行すれば問題なくできるはずです。
この様に、インターネットメールは送信用と受信用の違った役割をもつ2つのプロトコルを利用して成立しています。この仕組を覚えておくことでメールに対する理解は違って来るでしょう。
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